日用品から雑貨まで各種揃うマーケット・市場・そしてホーカーセンター…、インド系ローカルのリアルな暮らしを肌で感じられるのが、ここ「テッカセンター」です。
1915年にオープンした100以上のストールを有するこのホーカーでは、インドやスリランカの文化が、中国やマレーシア、時にタイなどの東南アジア文化と混ざり合う様子をみることができます。
「テッカ」という名前は、福建省の方言で、付近を流れるロチョー川に生息する足元くらいのサイズの小さな竹を意味する「テック・カー」が由来と言われています。2008年に大きな改修工事を終え、現在の姿でオープンしたのは2009年のことです。
テッカセンターはMRTのリトルインディア駅から歩いて数分という観光客にとってもアクセスしやすい場所に位置しています。インド系の人たちが多く働くこともあり、ホーカーは朝6:00ごろから朝食の営業を開始します。お昼時にはたくさんの人が集まり、ピーク時には席を確保するのも難しいほど。いくつかのストールは午後3時には売り切れで営業を終えてしまいます。シンガポールに暮らすインド系の人々の暮らしをまさに反映した場所、といえるでしょう。
テッカセンターに来たならば、まずはインド料理にトライするべきでしょう。初心者にオススメなのは「ナシ・ビリヤニ」というインド風の混ぜご飯。たいてい、いっしょに鶏肉などの肉料理がついてきます。数えきれないほどのストールがこの料理を販売していますが、中でもおすすめはミシュランの称号を堂々と掲げる「アラウディンズ・ビリヤニ」(Allaudin’s Biriyani)です。使われている無数のスパイスによって、一皿の中でたくさんのフレーバーを楽しむことができ、いちど食べたら病みつきになる味です。実際、病みつきになってしまったお客さんで、ストールには常に長蛇の列ができています。ビリヤニのほか、彼らが売るロティプラタやタンドリーチキンといったインド料理も、本場インドの味を楽しむにはぴったりの逸品です。
「ハジ・ジョハン」(Haji Johan)もまた、ぜひ訪れて欲しいストールの一つです。ムスリム・インド料理で、様々な材料をフライした料理をスパイシーなディップソースで食べる「ロジャック」が看板メニューです。
お手頃価格で楽しめるお店としては、545ワンポア・プラウン・ヌードル(545 Whampoa Prawn Noodles)のエビワンタンのヌードル、イマロイ・タイフードのオリーブライスやマンゴーサラダ、パッタイなど本場タイ料理などが挙げられます。
ドリンクをお探しなら「アーラーマン・カフェ」(Ar-Rahman Café)のチェンドルやサトウキビジュース、ココナッツジュースがオススメです。
シンガポールにいながらにして、インドの文化を肌で感じられるリトルインディアの中でも、よりディープな文化、そして食を体験できるテッカセンター。ぜひ訪れてみてください。