多種多様で奥深いホーカー文化の歴史は、1965年のシンガポール建国よりももっと昔から育まれ続けてきました。
その歴史あるホーカーセンターの中でも、住宅街カラン地区に位置するオールドエアポートロード・フードセンター(Old Airport Road Food Centre)は1972年にオープンしたもっとも古いホーカーのひとつで、当時その周辺に点在していたお店を一箇所に集結させることを目的に設立されたのだそうです。当時、付近に「カラン空港」があったことから、今の名前がつけられました。
同時期に設立されたホーカーと同様、シンプルなデザインの2階建て構造で、2Fは日用品、文具、アクセサリー、電化製品を売る雑貨屋50店舗程度で構成されています。
そして1Fには150店舗を超えるフードストールが立ち並び、「シンガポールの料理」と呼べるものはほとんど網羅されているでしょう。毎日多くの人が訪れるこの場所は、2006年に大きな改修が行われ、座席スペースの拡大やインテリアデザインの大幅な変更が行われました。
こちらのホーカーでまずご紹介したいのは、オイスターオムレツのお店「フェイマス・カラン・エアポート・フライド・オイスター」(Famous Kallang Airport Fried Oyster/#01-55)。いくつかオイスターオムレツを売るお店はありますが、こちらのお店で$8で買えるオムレツが、ダントツのいちばん人気です。じゅうぶんなサイズと量のオイスターが入っていて、グループでシェアするのにもぴったり。味はもちろんのこと、ほんの少し会話するだけで感じられる店主のホスピタリティに触れれば、たくさんの常連客で賑わう理由がすぐにわかると思います。
オイスターオムレツを食べて、ちょっとデザートでも食べたい気分のあなたにオススメなのがすぐ近くのストール「シェフ・ホン・HK・ベイカリー」(Chef Hong H.K. Bakery/#01-131)のエッグタルト。1つたった$1はシンガポール最安値と言い切っても良いでしょう。大きすぎず小さすぎず、ちょうど良いサイズのエッグタルトは、スイーツや軽食が欲しいときにはぴったりの一品です。
小さな島国に散らばる、どこまでも奥深いホーカー文化の中で、長い間ローカルから愛され続けるオールドエアポートロード・フードセンター。その文化と歴史を感じられる空間ではないかと思います。